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聖隷佐倉市民病院は、明治7年に腎疾患の治療を目的した政策医療を担う国立佐倉病院として誕生しました。その後、平成16年3月にキリスト教の隣人愛に根ざした患者本位の医療を理想とする聖隷福祉事業団へ経営移譲され、現在に至ります。前身の国立佐倉病院の創立からは130年の歴史を有しており、佐倉市はもちろんのこと周囲の成田市・印西市・四街道市・八街市・酒々井町から多数の患者が継続的に通院されています。2003年に新病棟と透析棟のオープン、2010年に手術棟のオープン、リハビリ室・放射線治療部門の開設、2011年度に経営の黒字化を達成しました。現在は、新しい透析センター、健診センターを建設中です。更に、将来的には400床への拡張を予定しています。
国立病院から私立病院への転換を経験した結果、それぞれの良い部分が現在の聖隷佐倉市民病院の医療を支えています。医療に対する姿勢として、国立病院時代は、どちらかというと患者に向いてというよりアカデミック・研究に重きを置いていましたが、聖隷福祉事業団に移行してからは、患者本位の良質な医療に変わり、サービス面が向上したと高評価を受けています。医療技術の面では、国立病院時代には無かったMRI装置が2台(1台は3T)、高性能な放射線治療器(バリアントリロジー)、安全で確実な手術を可能にする脊椎整形外科の手術用O-armなどの機器の他、透析センター・リハビリセンターは、ゆとりある空間を有する設備になりました。
聖隷佐倉市民病院には、1)腎疾患医療(腎炎から腎移植・血液透析まで)、2)脊椎整形外科、3)がん医療(健診から手術・内視鏡治療・放射線治療そして緩和医療)の3つの柱があります。
1)腎疾患医療(腎炎から腎移植・血液透析まで)
腎疾患は国立佐倉病院で国の政策医療を行なっていた歴史があり、腎臓内科・小児科では蛋白尿等の健診から腎炎治療そして末期腎不全患者には血液透析もしくは腎移植を選択することもできます。
2)脊椎整形外科
脊椎整形外科は、南名誉院長が日本有数の側弯症の大家であり、夏休みには日本全国から側弯症の児童が手術を受けに入院しています。2010年度から手術室にO-armという術中にCTを撮影できる装置が導入され、患者さんは手術中に移動する事無く手術野のCTが撮れるようになり、より安全確実な手術が可能になりました。
3)がん医療(健診から手術・内視鏡治療・放射線治療そして緩和医療)
がん医療は、健診によるがんの早期発見から、内視鏡治療・外科手術(消化器外科・乳腺外科・呼吸器外科)・化学療法に加え、放射線治療も行っています。末期がんの患者には、緩和病棟における緩和ケアを提供しています。
この3つの柱を中心に、消化器内科では肝疾患全般(肝炎・肝硬変・肝癌)に対する最新の診断治療および胆膵疾患の内視鏡治療を行なっております。
初期研修を終え、後期研修先として聖隷佐倉市民病院に入職しました。出身地である千葉県内で腎臓内科の研修体制が充実している病院、という理由で入職を決めました。とは言え、佐倉市にはなじみがなく、医師として未熟な状態で飛び込むことに入職前は不安が強かったです。しかし、腎臓内科の先生方を始め、他科の先生も教育熱心で温かみのある先生ばかりですので、日々多くのサポートを受けながら研修しています。医師としての振る舞い、考え方はもちろんのこと、合併症やシャント手術、腎生検の件数も多く、日々経験の幅が広がることに自信を感じています。
月曜日は総合内科外来、午後に病棟業務、内科全体としてのカンファレンスを行います。火曜日は午前中に病棟と透析室管理、午後に腎生検やシャント造設術などを行います。水曜日午前は腎生検、午後は腎臓内科病棟、透析室での合同カンファレンス。木曜日午前は腎臓内科外来、午後は病棟管理、透析室管理。金曜日は病棟と透析室管理が中心となります。土曜日の月に1回は透析室管理、他の土日はお休みです。
院内には、他科のコンサルトにも熱心に応じてくださる先生、臨床のみならず国内外の学会発表や論文発表などの臨床研究に専心している先生など、意識の高い先生方が多いです。また、能力の高い看護師さんが多いこと、仕事の早いケアマネや医事課のおかげで紹介、転院、照会などがスピーディーに進むことです。書類提出においては書類係の方が分かる限り事前に下書きしておいてくれるなど、可能な限り医師の負担を軽減しようとしてくれます。また、福利厚生も充実しており毎年休暇に海外旅行を楽しまれる先生も多いです。学会などの出張手当や住居手当など待遇においても、現場では働く医療従事者に配慮したものとなっています。気づけば、医師として成長する環境が整っており、実力を遺憾なく発揮する場が用意されている状態です。
とにかく他科やコメディカルとの垣根が低く、働きやすい病院だと思います。患者数も多く、症例にも恵まれていると思います。佐倉市は成田空港にも東京にもアクセスは良好な上、自然にも恵まれ美味しい店も多く暮らしやすい場所です。一緒に働ける先生が増えることを楽しみにしています。
新しいながらも歴史ある、ちょっぴり生意気な病院
聖隷佐倉市民病院は、前身から数えると130年の歴史があります。一方、2003年の民営化移行、目覚ましい成長を遂げています。現在、サービス面、技術面からハイレベルの医療を提供するに至っていますが、地域医療のニーズ、専門医療のニーズには、応えきれていません。より多くの方に、より専門性の高い医療を提供すべく、我々自身が成長しなければなりません。現在の入院病床294床に加え、千葉県から400床までの増床の許可は得ており、より多くの患者様に医療を提供できるよう新病棟をオープンさせて1日も早く400床の病院にする必要があります。その為に、より多くの先生方にご協力頂きたく思います。また、当院は腎疾患医療、脊椎整形外科、がん医療の3部門では高い専門性を有しております。この専門性を更に高めることにより、地域の患者様はもとより、全国の患者様、そして世界の患者様にも自信をもって専門医療を提供する病院になりたいです。開設10年の病院ですが、ちょっぴり生意気な病院ですね。
専門性と地域医療
当院は、専門性の高い治療と地域医療を両軸で提供する病院です。この医療体制を担保するためにはチームとして高いレベルを実現する必要があります。例えば、当院の内分泌代謝科では、外来診療にて生活習慣病センターとして医師の他、糖尿病認定看護師・栄養士・薬剤師・理学療法士・臨床検査技師とともに、患者さまに対し食事指導・生活指導・インスリン療法の指導をしており一定の評価を頂いています。こうしたチームとしての成果を実現するために、当院は働く皆さんの成長を最大限にサポートしています。医師の場合ですと、仮に内分泌代謝科の医師として赴任して頂いた場合も、興味をお持ちなら糖尿病性腎症を腎臓内科の医師と共に研究する事や各種手技(腎生検・blood accessの作製)を覚えて頂く事に協力する体制を整えております。当院でチーム医療が成功している要因として、各部署の垣根と学閥がないことによる、コミュニケーションの活発さがあげられます。円滑なコミュニケーションの中で生まれる気づき、協力、創意工夫が当院の強みと言って良いかもしれません。
病院として出来ること
専門性と地域医療を両立させるために、病院としてできることは検討するようにしています。内容はハード面とソフト面に分けられます。ハード面に関しては、必要と思われる設備投資は積極的に行っています。具体的には、病棟の新設、増床の許可、下記のような機器の導入に現れています。
・2010年:放射線治療器バリアン社トリロジー
・2010年:術中 CT機O-arm
・2013年:最新3T MRI装置GE Discovery 750w
いずれも千葉県では初の導入であり、全国でもかなり早期の導入に踏み切りました。
ソフト面では、診療科に関わらず、様々な取り組みを行っております。例えば、なるべく日常診療だけにとどまらないように、学会活動への援助を可能な限り行う制度があります。学会発表でしたら、何回でも参加費・交通費は全て病院から出しており、聴講のみの学会参加の場合は年2回まで学会費・交通費を援助しています。昨年の実績では、海外で開催される国際学会の学術発表は、整形外科から3名の医師が延べ8件、腎臓内科から1件、消化器外科から1件の研究発表がありました。このように、経済的負担がないように病院から学術発表を奨励しております。住宅環境を整えて安心して医療に従事して頂きたい考えから、持ち家制度も推進しております。具体的には戸建住宅やマンションを購入された場合、その購入費を15年にわたり月々病院から補填(平均6万円,上限10万円/月)する制度です。
転職を希望される医師にメッセージ
当院は開院してまだ10年目に入るまだまだ若葉マークの病院ですが、前身の国立佐倉病院からの歴史は古く、新しいながらも病院のコンセプトはちょっぴり生意気な病院です。上記でも触れた、医師が最高の舞台で活躍できるような取り組みを行ってきました。とにかく来ていただいた医師には「今までやれなかった、自分のやってみたかった事」を何とか実現させてあげたい方針であります。もし、どうしても新しい手技・新しい治療を行ないたい方でしたら、その手技・治療が優れているなら、新しい検査機器、高額な治療機器の購入も前向きに考えさせて頂きます。これから発展していく病院ですので、若くてやる気のある先生と一緒に夢を追っていきたいと思います。